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コブィズ1

 

 馬頭琴の特徴として、両膝に挟み、斜めに構える構え方や、左手の人差し指、中指の弦の押さえ方、弦が弓同様に馬の尾の毛を束ねたものであることなどが挙げられますが、こういう特徴は他の楽器では見られないでしょうか。そのような旨を書いてあるものもあるようですが、カザフスタンにコブィズという伝統楽器があり、上記の特徴によく似ています。私は2001年4月にカザフスタンに行き、コブィズについて少しではありますが教えてもらったことがありますので、何回かに分けて紹介していきます。

 コブィズという楽器は、ソ連政権下の時代に楽器改良を受け、胴に張ってあった皮は木に、弦は2弦から4弦に、そして馬の毛から金属弦に変わってしまいました。このコブィズをプリマコブィズと呼ぶそうです。伝統的なコブィズも残ってはいますが、作成者、演奏者、指導者、いずれも少なくなってしまったようです。

 馬頭琴も以前は皮張りで、その前身はシャナガン・ホールというお酒などを酌む柄杓に弦を張ったものだった、というような内容を見聞きした記憶がありますが、コブィズもまた、お酒や水を汲む柄杓だったようです。ちなみに私が入手したコブィズはラクダの皮が胴に張ってありました。

 

 

 

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